バイオハザードマークとは?赤・オレンジ・黄色の意味と正しい捨て方を解説
2026-06-03
バイオハザードマークの色ごとの捨て方に迷っている方に向けて、廃棄物の正しい分別ルールを解説します。医療現場や介護施設で働く中で、赤やオレンジ、黄色のどれに捨てればいいのかと悩むことは多いのではないでしょうか。この記事では、各色が示す廃棄物の種類や具体的な保管方法について詳しく紹介します。読み終わると、現場で迷わずに正しく安全な廃棄処理ができるようになります。
バイオハザードマークとは
医療機関や研究施設などで目にする「バイオハザードマーク」は、感染性廃棄物が入っていることを周囲に知らせるための世界共通の識別標識です。このマークが付いている容器には、血液や細菌、ウイルスなどが付着した危険な廃棄物が含まれており、取り扱いには特別な注意が必要であることを示しています。
廃棄物の分類 | 特徴や状態についての説明 | 具体的な品目の例 |
感染性廃棄物 | 血液や体液が付着しており感染症の原因となる病原体が含まれる可能性があるものです。 | 使用済みの注射針やメスおよび血液を含んだガーゼや臓器などがあてはまります。 |
非感染性廃棄物 | 医療機関から排出されるもののうち患者の体液に触れておらず感染のリスクがないものです。 | 事務室から出る紙くずやプラスチック容器および包装用の段ボールなどがあてはまります。 |
感染性廃棄物を示す世界共通のマーク
バイオハザードマークとは、感染症を引き起こす恐れのある病原体が含まれた「感染性廃棄物」が入っていることを周囲に知らせるためのマークです。医療機関や研究施設などから排出される廃棄物には、使用済みの注射針や血液が付着したガーゼなどが含まれています。これらが一般のゴミと混ざってしまうと、清掃担当者や廃棄物処理業者が誤って触れてしまい、感染症を広げてしまう危険性があります。そのため、誰が見ても直感的に危険な廃棄物であることが分かるように、世界共通のデザインで注意喚起を行っています。
バイオハザードマークの表示は義務なのか
バイオハザードマークそのものを表示することは法律で義務付けられていませんが、感染性廃棄物の容器に感染性廃棄物である旨および注意事項を表示することは廃棄物処理法で義務付けられています。バイオハザードマークはその目的を果たす手段として強く推奨されています。実際に、日本全国の医療機関や廃棄物処理業者の多くがこのマークを利用しており、事実上の標準ルールとして定着している状況です。安全な職場環境を守るためにも、マークを用いた分別管理を徹底することが重要です。医療機関から発生する廃棄物は大きく分けて感染性廃棄物と非感染性廃棄物に分かれますが、その違いについて以下の表に整理します。
バイオハザードマークの3つの色と意味
バイオハザードマークは、一目で中身の危険性が判断できるように「赤色」「オレンジ色」「黄色」の3色で区分されています。この色の違いは、廃棄物の「形状」や「性質」に基づいており、環境省の感染性廃棄物処理マニュアルにおいて強く推奨されています。適切な色分けを行うことは、医療従事者だけでなく、回収・運搬・処分に携わるすべての作業員の安全を守ることにつながります。
バイオハザードマークの色 | 示す廃棄物の性状と特徴 | 具体的に該当する廃棄物の例 | 保管に適した容器の条件と対策 |
赤色 | 液体状や泥状の廃棄物であり漏れ出すリスクが高いものです。 | 手術で採取された血液や体液および大量の廃血が溜まったチューブなどが該当します。 | 転倒しても中身が漏れ出ないプラスチック製の完全密閉容器を使用します。 |
オレンジ色 | 血液や体液が付着しているものの形状を保っている固形物です。 | 使用済みのガーゼや包帯および血液が付着した使い捨ての防護服などが該当します。 | 重みで破れないように内袋を備えた強度の高い段ボール箱や二重にしたビニール袋を用意します。 |
黄色 | 先端が尖っており袋や容器を突き破る恐れがある鋭利なものです。 | 使用済みの注射針やメスの刃および破損して鋭利になったガラス製試験管などが該当します。 | 針や刃先が貫通しない分厚いプラスチック製や金属製の専用容器を活用します。 |
赤色は液状や泥状の廃棄物
赤色のバイオハザードマークは、液状または泥状の感染性廃棄物を捨てるための目印です。具体的には、手術や検査で採取された血液そのものや、体液が大量に含まれたチューブなどが該当します。液状の廃棄物は少しの隙間からでも漏れ出す危険があるため、取り扱いには細心の注意が必要です。そのため、赤色のマークを貼る容器は、転倒しても液体がこぼれないように、蓋がしっかりと閉まるプラスチック製の密閉容器などを使用します。作業中には容器が満杯になる前に交換し、液漏れによる院内感染を防ぐ工夫が求められます。
オレンジ色は血液などが付着した固形状の廃棄物
オレンジ色のバイオハザードマークは、血液や体液が付着した固形状の廃棄物を示すために使われます。医療現場で頻繁に発生する使用済みのガーゼ、包帯、紙くず、生理用品、血液がついた使い捨ての防護服などがこれに当たります。水分を含んでいても流れ出ない程度の固形物であれば、オレンジ色に分類されるため注意が必要です。保管する際は、廃棄物の重みで袋が破れないように、内側に丈夫な袋を備えた段ボール箱を使用したり、ビニール袋を二重にしたりして安全を確保します。誰が捨てても袋が破れないように、適切なサイズの容器を選ぶことが大切です。
黄色は注射針などの鋭利な廃棄物
黄色のバイオハザードマークは、触れると怪我をする恐れがある鋭利な感染性廃棄物を示すものです。使用済みの注射針、メス、アンプル、割れてしまった試験管などが該当します。これらを普通の袋に捨ててしまうと、袋を突き破って清掃作業員に刺さり、針刺し事故から重大な感染症を引き起こす恐れがあるという点に注意が必要です。そのため、黄色のマークを貼る容器は、針や刃先が貫通しない分厚いプラスチック製や金属製の専用容器を選ぶ必要があります。一度蓋を閉めたら二度と開かない構造の容器を使用することで、安全性を高めることにつながるでしょう。
バイオハザードマークを用いた感染性廃棄物の管理ルール
感染性廃棄物は、その名の通り感染症を引き起こす可能性があるため、排出から最終処分まで一貫した厳格な管理が求められます。バイオハザードマークは単なる目印ではなく、廃棄物処理法に基づいた適正な運用を担保するための重要なツールです。
関係者がルールを遵守することで、院内感染や作業員の事故、さらには環境汚染を未然に防ぐことができます。
保管場所の管理項目 | 具体的な実施内容と整備すべき環境の条件 | 実施することによって得られる効果や予防できるトラブル |
看板の設置と明示 | 特別管理産業廃棄物の保管場所であることを示す縦横六十センチメートル以上の看板を入り口に掲示します。 | 施設の関係者や部外者が誤って立ち入ることを防ぎ不測の感染事故を未然に防止します。 |
温度と衛生の管理 | 直射日光が当たらない涼しい場所を選び悪臭や害虫が発生しないように冷蔵保管庫などを活用して温度を保ちます。 | 血液や体液を含んだ廃棄物の腐敗の進行を遅らせて周囲の衛生環境を清潔な状態に維持します。 |
外部との隔離対策 | 保管場所の周囲にフェンスや壁などのしっかりとした囲いを設けて関係者以外が容易に接触できないようにします。 | 保管している感染性廃棄物が外部へ流出したり第三者が持ち出したりするリスクを排除します。 |
専用の保管容器を使用する
感染性廃棄物を保管する際は、ただマークを貼るだけでなく、中身の性質に応じた専用の保管容器を選ぶことが極めて重要です。環境省が公表している感染性廃棄物処理マニュアルの指針に従い、液状のものは密閉できるもの、鋭利なものは貫通しないものといった基準を満たす容器を用意します。また、一度廃棄物を入れた容器は、感染拡大を防ぐために再び開けることができない構造になっているものが理想的です。現場のスタッフ全員が、どの容器にどのマークを貼って運用しているかを統一して認識しておく必要があります。
保管場所の明示と環境整備
感染性廃棄物を収集業者に引き渡すまでの間、施設内で安全に保管するための環境整備も欠かせません。保管場所には、部外者が誤って立ち入らないように特別管理産業廃棄物の保管場所であることを明記した看板を設置します。また、廃棄物が腐敗して悪臭や害虫が発生しないように、直射日光を避けて風通しの良い涼しい場所を選ぶことが推奨されています。必要に応じて専用の冷蔵保管庫を導入するなど、周囲の衛生環境を悪化させないための配慮が求められるでしょう。
医療現場におけるバイオハザードマークの分別事例
医療現場では、日々多種多様な廃棄物が発生するため、バイオハザードマークに基づいた迅速かつ正確な分別が欠かせません。誤った分別は、処理コストの増大を招くだけでなく、清掃スタッフや廃棄物処理業者の感染リスクに直結します。実際の現場でどのように使い分けられているのか、具体的な事例を整理して見ていきましょう。
足柄上病院の取り組み項目 | 現場で実践されている具体的な分別の手順と工夫 | 取り組みから得られるメリットや期待される効果 |
黒色ポリ袋の活用 | 内部を洗浄できない汚染されたチューブなどのプラスチック製品を廃棄する際に透明ではなく黒色のポリ袋に入れて密閉します。 | 汚染された危険な廃棄物であることを直感的に伝えるとともに血液などの汚れを隠して病院内の美観を損ねないようにします。 |
バイオハザードマークの掲示 | 黒色のポリ袋に密閉した廃棄物を最終的にオレンジ色のバイオハザードマークが表示された専用の段ボール箱に確実に収納して排出します。 | 感染性廃棄物であることが回収業者にも正確に伝わり運搬の過程での誤認や感染リスクを未然に防ぎます。 |
管理規程の見直しと徹底 | 感染性廃棄物に関する管理規程を定期的に見直すとともに医療従事者だけでなく外来患者や見舞客にも適切な分別のルールを周知します。 | 病院に関わるすべての人の安全意識が高まり分別ルールの浸透によって不適切な廃棄による事故の発生を抑えます。 |
神奈川県立足柄上病院における感染性廃棄物の分別事例
医療現場では、安全かつ確実に感染性廃棄物を処理するために、施設ごとに独自の工夫が取り入れられています。神奈川県立足柄上病院では、感染性廃棄物を適正に処理するための管理規程を独自に定めて運用を行うケースが見られます。例えば、血液などが付着しており内部を洗浄できないチューブなどのプラスチック製品を捨てる際、まずは中身が見えない黒色のポリ袋に入れて密閉します。そして、その黒色のポリ袋をバイオハザードマークが明確に表示された専用の段ボール箱に収納して排出するという取り組みを行っているとのことです。黒色のポリ袋を使用することで、汚染された廃棄物であることが誰にでも視覚的に伝わるだけでなく、病院内の美観を損ねないというメリットを生み出しています。このように、施設の実情に合わせた分別ルールを定めて現場のスタッフ全員で徹底することが、院内感染の防止や安全な廃棄処理に直接結びつくでしょう。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- バイオハザードマークは感染性廃棄物であることを示す世界共通の表示である
- 赤色は液状のもの、オレンジ色は固形のもの、黄色は鋭利なものを表す
- 施設ごとに性質に合った専用容器や保管場所の適切な管理が不可欠である
正しい分別ルールを守ることで、医療現場や清掃に関わるすべての人の安全が守られます。













