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感染性廃棄物の正しい処分方法とは?分別ルールや業者委託の注意点を解説
2026-06-09
感染性廃棄物の正しい処分方法とは?分別ルールや業者委託の注意点を解説
医療機関などで日々発生する感染性廃棄物の処分方法について、適切に管理したいと考える担当者に向けて解説します。この記事では、感染性廃棄物の定義から分別ルール、さらに業者への委託方法までを詳しくお伝えします。最後までお読みいただくことで、法令を遵守しスタッフの安全を守る確実な処理体制を構築できるようになるでしょう。廃棄物の処分においては、環境省の基準に沿った保管と専門業者への正しい委託が重要になります。




感染性廃棄物とは





感染性廃棄物とは、医療関係機関などから排出される廃棄物のうち、人が感染するおそれのある病原体が含まれているものを指します。あるいは、それらが付着している可能性がある廃棄物も該当すると言えます。適切な処理を行わなければ、院内のスタッフや外部の作業員に健康被害を及ぼす危険性があります。そのため、法律によって厳格な取り扱いが定められている状況です。ここでは、定義と関連する法令について詳しく確認していきましょう。

廃棄物の区分
具体的な内容例
適用される法律上の分類
感染性一般廃棄物
血液が付着した脱脂綿やガーゼ、紙おむつなど
特別管理一般廃棄物
感染性産業廃棄物
使用済みの注射針、メス、廃プラスチック類の容器など
特別管理産業廃棄物

感染性廃棄物の定義と関連法令


廃棄物処理法において、感染性廃棄物は特別管理廃棄物に位置付けられています。これは、人の健康や生活環境に被害を生じさせる可能性があるため、通常の廃棄物よりも厳しい基準で処理しなければならないという決まりです。具体的には、環境省が定めた「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に従って取り扱う必要があります。このマニュアルには、排出から最終処分に至るまでの手順が詳細に記載されており、実務において大いに役立ちます。


一般廃棄物と産業廃棄物の違い


感染性廃棄物は、性質によって特別管理一般廃棄物と特別管理産業廃棄物の二つに分かれます。前者は、血液が付着したガーゼなどが該当し、後者は廃プラスチック類や注射針などが含まれる傾向にあります。どちらに該当する場合でも、それぞれ適切な許可を持つ収集運搬業者や処分業者へ委託しなければなりません。事業活動に伴って生じる廃棄物という点では同じですが、法令上の区分が異なるため注意が必要です。




感染性廃棄物の判断基準

感染性廃棄物の判断基準
排出された廃棄物が感染性廃棄物に該当するかどうかは、客観的な基準に基づいて判断する必要があります。環境省のマニュアルでは、主に三つの要素を組み合わせて確認する仕組みが導入されています。個人の感覚に頼るのではなく、統一されたルールを適用することが安全管理の基本と言えるでしょう。それぞれの判断要素について、具体的に見ていきます。

判断の要素
基準となる具体的な内容
該当する場合の取り扱い
形状
血液などの液状物、注射針などの鋭利なもの
感染性廃棄物として扱う
排出場所
手術室、感染症病床、病原微生物の検査室など
感染性廃棄物として扱う
感染症の種類
感染症法に基づく特定の感染症患者からの排出物
感染性廃棄物として扱う

形状による判断要素


第一の基準として、廃棄物の形状が挙げられます。血液や血清といった液状のものはもちろんのこと、それらが混ざった泥状のものも対象に含まれます。また、注射針やメスなどの鋭利な器具は、それ自体が他者を傷つける危険性があるため、血液の付着が確認できなくても感染性廃棄物と同等に扱うことが推奨されています。このように、見た目や物理的な危険性から一次的な分類を行うことが大切です。

排出場所による判断要素


第二に、その廃棄物がどこで発生したかという場所の要素を考慮します。感染症病床や手術室、救急外来などで発生した廃棄物は、病原体による汚染のリスクが高いと考えられます。また、検査室で病原微生物の検査に使用された器具なども同様です。これらの特定の場所から排出されたものは、原則としてすべて感染性廃棄物として扱う必要があります。発生源を特定することで、分類の抜け漏れを防ぐ効果が期待できます。

感染症の種類による判断要素


第三の要素は、対象となる患者がどのような感染症に罹患しているかという点です。感染症法で定められた一類から三類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症の患者の治療・検査等に使用された後に排出されたものは、感染性廃棄物に分類されます。四類や五類感染症についても、医療行為に伴って排出される特定のものは対象となる場合があります。患者の診断結果と連動した管理体制を構築することが重要になります。




院内での分別・梱包のルール

院内での分別・梱包のルール
感染性廃棄物を安全に処理するためには、発生した直後の分別と適切な梱包が欠かせません。この段階でミスが起きると、回収作業を行うスタッフの針刺し事故などにつながる危険性が高まります。誰が見ても中身の危険度がわかるように、標準化されたルールを施設全体で共有することが求められます。ここでは、容器の選定と標識の活用について解説します。

バイオハザードマークの色
対象となる廃棄物の種類
推奨される容器の材質
黄色
注射針やメスなどの鋭利なもの
耐貫通性のある金属製や硬質プラスチック製
赤色
血液などの液状または泥状のもの
漏洩を防止できる密閉容器
オレンジ色
血液が付着したガーゼなどの固形状のもの
固形状の廃棄物には段ボール容器(内袋使用)、または丈夫なプラスチック袋を二重にするなど、堅牢な容器を使用する

専用容器の選び方


廃棄物を収納する容器は、中身の性質に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。鋭利なものを入れる場合は、貫通を防ぐために金属製や硬質なプラスチック製の堅牢な容器を使用してください。一方で、液状や泥状のものを入れる際は、中身が漏れ出ないように密閉できる構造の容器が適しています。固形状の廃棄物であれば、段ボール容器(内袋使用)、または丈夫なプラスチック袋を二重にして破れを防ぐといった工夫が求められます。

バイオハザードマークの意味と色分け


容器の中身を一目で判別できるように、バイオハザードマークと呼ばれる共通の標識を貼り付けることが推奨されています。このマークは廃棄物の種類によって色が分けられており、視覚的に危険性を伝達する役割を果たします。スタッフ全員がこの色の意味を理解し、正しい容器に廃棄する習慣を身につけることが安全への第一歩となります。




施設内での保管に関する基準





発生した感染性廃棄物は、業者に引き渡すまでの間、施設内で安全に保管しなければなりません。不適切な環境で放置すると、悪臭の発生や病原体の増殖を招く恐れがあります。廃棄物処理法では、保管に関する厳格な基準が設けられており、排出事業者はこれを遵守する責任を負います。具体的な保管のルールについて確認していきましょう。

保管場所の掲示事項
記載すべき具体的な内容
設置の目的
廃棄物の種類
特別管理産業廃棄物(感染性廃棄物)であること
危険性の周知と注意喚起
管理責任者の情報
責任者の氏名および緊急時の連絡先
トラブル発生時の迅速な対応
保管の制限
積み上げ可能な最大高さや保管容量の上限
荷崩れや容器の破損防止

保管場所の条件と表示義務


保管場所は、関係者以外の立ち入りを制限できる専用の区画を設ける必要があります。周囲を囲いで仕切り、外部から容易にアクセスできないようにすることが大切です。加えて、その場所が特別管理産業廃棄物の保管場所であることを明示する掲示板を設置しなければなりません。掲示板には、管理責任者の氏名や連絡先、保管の最大高さなどを正確に記載してください。

安全確保のための対策


保管中の衛生状態を保つための対策も重要となります。感染性廃棄物は腐敗しやすいため、可能な限り冷蔵設備などを利用して低温で保管することが望ましいと言えます。また、ねずみや害虫が発生しないように定期的な清掃と消毒を実施してください。万が一、容器が破損して内容物が漏れ出した場合に備えて、清掃用具や消毒液を保管場所の近くに常備しておくことも有効な対策です。




感染性廃棄物の処分・滅菌方法





保管された感染性廃棄物は、最終的に感染性を失わせるための処理を施さなければなりません。そのままの状態で埋め立てたりすることは法律で固く禁じられています。処理の工程は、施設内で自ら行う場合と、外部の専門業者に委託する場合の二つの選択肢に分かれます。それぞれの具体的な方法について解説します。

施設内で可能な滅菌処理


医療機関の内部に専用の設備がある場合、自ら感染性を失わせる処理を行うことが認められています。代表的な方法として、高圧蒸気滅菌装置を使用する方法が挙げられます。これはオートクレーブとも呼ばれ、高温の蒸気を一定時間作用させることで病原体を死滅させる技術です。他にも乾熱滅菌や、特定の薬剤に浸け込んで消毒する方法などが存在します。ただし、これらの処理を行った後は、非感染性廃棄物として扱うために破砕処理などを加えて形状を変えることが求められます。

許可業者への処理委託の流れ


施設内で処理ができない場合は、都道府県知事などから許可を受けた特別管理産業廃棄物処分業者へ委託することになります。運搬を担う収集運搬業者と、滅菌や焼却を行う処分業者のそれぞれと個別に契約を結ぶ必要があります。専用の車両で処分場まで運ばれた後、多くは大型の焼却炉で安全に焼却されるか、溶融設備で処理されます。委託後も最終的に適正処理されたかを確認する責任が残る点に留意してください。




業者委託時の注意点とマニフェスト管理





外部の業者に処理を委託する際、排出事業者はいくつかの法的な義務を果たさなければなりません。不法投棄などの問題が発生した場合、委託した側の責任が問われることもあります。信頼できる業者を見極め、引き渡した後の流れを正確に追跡する仕組みを運用することが求められます。ここでは、委託契約とマニフェストについて説明します。

確認すべき許可証の種類
役割と対象範囲
委託時にチェックするポイント
特別管理産業廃棄物収集運搬業許可
施設から処分場までの輸送を行うための許可
運搬区間の自治体の許可を得ているか
特別管理産業廃棄物処分業許可
焼却や滅菌などの中間処理を行うための許可
取り扱い品目に感染性廃棄物があるか

特別管理産業廃棄物の許可確認


委託先を選定する際は、業者が所在地の自治体から特別管理産業廃棄物収集運搬業、あるいは処分業の許可を得ているかを必ず確認してください。通常の産業廃棄物の許可だけでは感染性廃棄物を取り扱うことができません。許可証の有効期限や、取り扱い品目に感染性廃棄物が含まれているかどうかのチェックが必要です。契約締結前には、実際に業者の施設を見学して適正な処理が行われているかを自分の目で確かめることもおすすめします。

電子マニフェストの運用と保管義務


廃棄物を業者に引き渡す際には、産業廃棄物管理票と呼ばれるマニフェストを交付しなければなりません。近年では、情報管理の正確性や業務効率の観点から電子マニフェストの利用が広く普及しています。マニフェストを通じて、収集運搬、中間処理、最終処分が完了したという報告を随時受け取ります。万が一、定められた期間内に完了報告が届かない場合は、委託先に状況を確認し、都道府県知事(または政令市長)に措置内容等報告書を提出する義務が生じます。特別管理産業廃棄物(感染性廃棄物を含む)は通常の産業廃棄物よりも短い60日以内です。





【事例】感染性廃棄物の適切な委託事例

【事例】感染性廃棄物の適切な委託事例
実際に医療現場では、どのように感染性廃棄物の処理が行われているのか、具体的な事例を通じて理解を深めましょう。安全性の向上と環境負荷の低減を両立させた新しい取り組みも登場しています。実際の病院で導入されたシステムを紹介します。

導入されたシステムの要素
従来の処理方法との違い
医療機関にもたらされたメリット
容器の材質と強度
使い捨てではなく耐熱性のある専用容器を使用
針刺し事故のリスク低減
処理の自動化
手作業を減らしロボットによる自動滅菌を導入
処理施設内での感染リスクの排除
環境への配慮
容器そのものを焼却せずに洗浄して再利用する
廃棄物の総量削減とコストの最適化

けいゆう病院における容器循環型処理の導入事例


一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院では、株式会社日本シューターが運用するサイクルペールシステムという新たな処理方法の試運用を実施した事例があります。従来は使い捨てのプラスチック容器や段ボール容器を使用していましたが、専用の堅牢な容器を繰り返し使用する仕組みに変更しました。密閉された建屋内でロボットが自動で滅菌や洗浄を行うため、作業員の感染リスクを大幅に下げることに成功しています。この取り組みにより、容器の廃棄による環境負荷を軽減しつつ、安全な院内管理を実現していると言えるでしょう。




まとめ





この記事の要点をまとめます。

  • 感染性廃棄物は特別管理廃棄物に指定され厳格なルールが適用される
  • 形状や排出場所などを基準に正しく分別することが求められる
  • 保管場所には専用の掲示板を設け周囲の環境保全に努める
  • 処分は専用の設備で滅菌するか許可を得た専門業者へ委託する
  • 委託時は許可証の確認とマニフェストによる追跡を確実に行う

適切な廃棄物管理の体制を整えることは、医療従事者の安全を守り、地域社会の衛生環境を保つための重要な基盤となります。
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