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産業廃棄物許可を取得するには?5つの要件や費用・申請の流れを解説
2026-07-08
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産業廃棄物許可を取得するには?5つの要件や費用・申請の流れを解説
取引先から「産業廃棄物の許可を取得してほしい」と言われ、どのような手続きが必要なのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための要件や手順、そして具体的な費用について詳しく解説します。最後までお読みいただくと、自社が許可を取得できる状態にあるかどうかがわかり、すぐに準備を開始できるようになります。結論からお伝えすると、許可取得には「講習会の受講」や「経理的基礎」などの5つの厳しい要件を満たす必要があり、専門家への依頼を含めると約20万円前後の費用と約2ヶ月以上の期間を見込んでおくことが重要です。




産業廃棄物許可とは





産業廃棄物許可とは、事業活動に伴って生じた法令で定められた20種類の廃棄物を、業務として収集・運搬・処理するために必要な行政の認可を指します。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)によって厳格に規定されており、無許可で業務を行った場合は厳しい罰則の対象となる可能性があります。事業を適法かつ円滑に進めるためにも、自社が行う業務の内容に合わせて正しい許可を取得することが求められます。


項目
概要
産業廃棄物の定義
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた20種類のこと
根拠となる法律
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条
許可を出す行政機関
当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(または政令指定都市の市長)
無許可営業のリスク
5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性がある

産業廃棄物収集運搬業と処分業の違い


産業廃棄物の許可には、大きく分けて「収集運搬業」と「処分業」の2種類が存在します。収集運搬業は、排出された場所から処分場などへ産業廃棄物をトラックなどの車両で運ぶための許可です。一方で処分業は、持ち込まれた産業廃棄物を焼却したり破砕したりして、中間処理や最終処分を行うための許可を意味します。処分業の許可を取得するためには、大規模な施設の設置や周辺住民への環境影響調査などが必要となり、審査のハードルが非常に高くなります。そのため、建設業や運送業などの中小企業が新規で必要とする許可の大部分は、前者の「産業廃棄物収集運搬業」に該当すると言えます。

許可が必要なケースと不要なケース


産業廃棄物を運ぶからといって、すべてのケースで許可が必要になるわけではありません。許可が必要となるのは、他社から委託を受けて、業として産業廃棄物を運搬する場合です。建設現場などで元請け業者が排出した廃棄物を、下請け業者が自社のトラックで運ぶようなケースでは、他社のゴミを運んでいるとみなされるため収集運搬業の許可が必須となります。反対に、自社の工場や事業所で発生した産業廃棄物を、自社の従業員が自社の車で処分場まで運ぶ「自己運搬」の場合は、例外として許可の取得は不要とされています。ただし、自己運搬であっても飛散防止の基準などは守る義務があるため、法律のルールに従って適切に取り扱うことが大切です。




産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための5つの要件

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための5つの要件
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、法律で定められた5つの要件をすべてクリアしなければなりません。どれか一つでも欠けていると申請が受理されないため、自社が要件を満たしているかを事前にしっかりと確認することが成功の鍵となります。

要件の名称
審査される主な内容
講習会の受講
経営者や役員が法定の講習会を受講し、修了試験に合格しているか
経理的基礎
事業を継続するための財務的な基盤(黒字経営や債務超過でないこと)があるか
運搬施設・車両
廃棄物が飛散・流出・悪臭漏れしない適切なトラックや容器を備えているか
事業計画
何を、どこから、どこへ運ぶのかという計画が適法かつ具体的に決まっているか
欠格要件
過去に重大な法律違反を犯したり、反社会的勢力と関わりがあったりしないか

講習会を受講し修了証を取得していること


最初の関門となるのが、法定の講習会を受講して修了証を取得することです。公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する講習会に申し込み、カリキュラムを受講した上で、最後の試験に合格する必要があります。法人の場合は代表取締役や取締役などの役員、個人の場合は事業主本人が受講しなければならず、従業員が代理で受講することは認められていません。講習会の予約は全国的に混み合うことが多く、希望する日程で受講できないケースも珍しくないため、許可の取得を決めたら真っ先に申し込みを済ませることをお勧めします。

経理的基礎を有していること


産業廃棄物を適切に処理するためには、途中で事業が立ち行かなくなるような事態を防ぐための財務的な安定性が求められます。この審査では、直近3年間の決算書が確認され、利益が継続して出ているか、債務超過の状態に陥っていないかが厳格にチェックされます。もし直近の決算が赤字であったり債務超過であったりしても、直ちに許可が下りないわけではありません。その場合は、今後の黒字化に向けた詳細な事業計画書や、中小企業診断士や公認会計士による財務診断書の追加提出を求められることになります。自治体によって追加書類の取り扱い基準は異なるため、財務状況に不安がある場合は事前に管轄の窓口へ相談することが重要です。

運搬施設や車両が基準を満たしていること


廃棄物を運搬する途中で、道路にゴミを落としたり悪臭を放ったりしないための設備が整っているかも重要なポイントです。使用するトラックなどの車両は、自社の名義で登録されているか、あるいは正式なリース契約を結んで使用権限があるものでなければなりません。また、運搬する品目によって必要な設備は変わり、例えば廃油や廃アルカリなどの液体を運ぶ場合は、漏れを防ぐための専用の密閉容器やドラム缶を用意する必要があります。申請時には、すべての運搬車両について、ナンバープレートが明確に読み取れるように斜め前方と斜め後方から撮影したカラー写真を提出することが義務付けられています。

適切な事業計画を策定していること


行政は、許可を出す企業がどのような事業を行うのかを詳細に把握したいと考えています。そのため、取り扱う産業廃棄物の種類や、想定される排出元の業種、運搬先の処分場の名称などをまとめた事業計画書を作成しなくてはなりません。例えば「建設現場から出る木くずを、県内の中間処理施設へ運ぶ」といったように、お金の流れや物の動きが辻褄の合う計画であることが求められます。運搬先の処分場が、運ぼうとしている廃棄物の品目について適正な処分許可を持っていない場合は、計画自体が破綻しているとみなされ審査に通らないため注意が必要です。

欠格要件に該当しないこと


許可を受ける法人そのものや、その法人の役員、さらには一定以上の株式を保有する株主が、法律で定められた欠格要件に当てはまらないことが大前提となります。具体的には、過去に廃棄物処理法違反で罰金刑を受け、その執行が終わってから5年を経過していない者などが該当します。さらに、暴力団員などの反社会的勢力に関わりがある場合も、事業への不当な介入を防ぐ目的で許可を受けることができません。申請時には、役員全員の「登記されていないことの証明書」などを提出し、これらの要件に抵触していないことを公的な書類で証明することになります。




産業廃棄物許可の申請に必要な費用

産業廃棄物許可の申請に必要な費用
産業廃棄物許可を取得するためには、事前の準備から行政への手数料まで、さまざまな場面で費用が発生します。トータルでどのくらいの資金が必要になるのかを把握し、予算を確保しておくことがスムーズな事業展開に繋がります。

費用の種類
金額の目安(新規の収集運搬業の場合)
備考
申請手数料(証紙代)
81,000円
申請する都道府県ごとに必要となる
講習会の受講費用
約30,000円〜35,000円
新規受講の場合の目安(テキスト代含む)
公的書類の取得実費
約5,000円〜10,000円
住民票や登記簿謄本、納税証明書などの発行手数料
行政書士の報酬相場
100,000円〜150,000円
専門家に手続きを依頼する場合のみ発生
トータル想定費用
約200,000円〜250,000円前後
自治体の数や専門家のサポート範囲により変動

自治体に支払う申請手数料


新規で産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する場合、管轄の都道府県に対して審査手数料を納める必要があります。この手数料は全国一律で定められており、1つの自治体につき81,000円分の収入証紙などを購入して申請書に添付することになります。ここで注意すべきなのは、産業廃棄物を積み込む場所の都道府県と、降ろす場所の都道府県が異なる場合、両方の自治体の許可が必要になるという点です。例えば、東京都で積み込んで埼玉県で処分する場合は、東京都と埼玉県それぞれに81,000円の手数料を支払う必要があり、コストが倍増することに留意しておくべきです。

講習会の受講費用


要件の一つであるJWセンターの講習会を受講するためにも、事前の費用支払いが必要です。新規で収集運搬業の講習を受ける場合、受講料はおおよそ2万5千円から3万円台前半に設定されていることが一般的です。この費用には、講習で使用する専門的なテキスト代や試験の受験料も含まれています。もし複数の役員で手分けをして受講したい場合や、後継者育成のために複数人に資格を取らせたい場合は、受講する人数分の費用がかかることを念頭に置いて計画を立てる必要があります。

行政書士に依頼する場合の報酬相場


複雑な書類作成や役所とのやり取りを専門家である行政書士に依頼する場合、代行報酬の相場は10万円から15万円程度となっています。この費用を高いと感じるか安いと感じるかは、自社の担当者が書類作成に割ける時間や、ミスの許されないプレッシャーをどう評価するかによって分かれます。多くの行政書士事務所では、複数の都道府県へ同時に申請する場合に、2件目以降の報酬額を割引する料金体系を採用しています。役所へ足を運んで公的な証明書を集める手間や、審査基準の確認にかかる時間を節約できるため、本業に集中したい多くの企業が専門家の活用を選択している状況です。




産業廃棄物収集運搬業許可の申請の流れと必要書類

産業廃棄物収集運搬業許可の申請の流れと必要書類
許可を取得するまでの道のりは、講習会の予約から始まり、書類の収集、窓口での申請、そして行政による審査と続きます。全体のスケジュール感と必要な書類のボリュームをあらかじめ理解しておくことで、焦ることなく計画的に手続きを進めることができます。

ステップ
実施内容
想定される期間
1.事前準備
JWセンターの講習会予約と受講、修了証の受け取り
約1ヶ月
2.書類作成
定款や決算書など必要書類の収集と、事業計画書の作成
約2週間〜1ヶ月
3.窓口申請
管轄の都道府県へ申請の予約を行い、書類一式を提出する
予約状況により数日〜2週間
4.行政の審査
提出された書類の内容や、欠格要件に該当しないかの厳格な審査
約60日(約2ヶ月)
5.許可証交付
審査を通過した後、許可証が郵送または窓口で交付される
審査完了後数日

許可取得までの全体スケジュール


産業廃棄物許可の取得には、想像以上に長い期間がかかることを覚悟しておく必要があります。講習会の受講から修了証が手元に届くまでに約1ヶ月、そこから必要書類を集めて申請書を作り上げるまでにさらに数週間を要します。申請が無事に受理された後も、行政側での標準処理期間として約60日(およそ2ヶ月)の審査期間が設けられています。つまり、思い立ってから許可証を手にするまでには、全体で4ヶ月から6ヶ月程度のスケジュールを見込んでおくのが現実的だと言えます。

申請に求められる主な必要書類一覧


産業廃棄物許可の申請書類は、非常に種類が多く複雑な内容となっています。自社の情報を記入する申請書や事業計画書に加えて、役所や法務局を回って公的な証明書を集めなければなりません。具体的には、定款の写し、会社の登記簿謄本、役員全員の住民票および登記されていないことの証明書などが求められます。さらに、経理的基礎を証明するための直近3年分の決算書一式や法人税の納税証明書、運搬に使う車両の自動車検査証のコピーなども必要です。これらの書類の中には発行から3ヶ月以内という有効期限が定められているものも多いため、取得するタイミングを間違えないよう慎重にスケジュールを管理することが求められます。





まとめ





この記事の要点をまとめます。

  • 産業廃棄物を有償で運搬するには、管轄の都道府県知事による収集運搬業の許可が必要となる
  • 許可取得には、講習会受講・経理的基礎・運搬車両の確保・事業計画・欠格要件非該当の5つを満たす必要がある
  • 申請にかかる費用は、1自治体あたり81,000円の手数料に加え、講習会費用や必要に応じた行政書士報酬が発生する
  • 講習会の予約から書類準備、審査完了までにはトータルで約3〜4ヶ月の期間を見込んでおくべきである
  • 財務状況の不安や書類作成の手間を解消するために、実務に精通した専門家を活用するのも有効な手段である

自社の状況と要件をしっかりと照らし合わせ、確実な許可取得に向けた第一歩を踏み出してください。
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